一応ネタバレ注意
あらすじ(BookLive引用)
よっす。オレは賊だぜ。盗賊でも山賊でもない、それ未満のザコだ。だが、幸か不幸かオレには特別な能力が宿っている。なんとオレは何度死んでも別の賊の身体になってリスポーンできるのさ! そんな死んでは復活するだけのチンケなオレだが、実は憧れの冒険者になって人様のお役に立ちたいって夢がある。だからオレは時々冒険者の真似をして命がけの人助けをしてみるのさ。誰かの未来が守れるなら俺の命の五つや六つ安いもんだろう。これは百万回死んでも夢を追い続ける名も無きザコの英雄譚だ。
WEB版より全面改稿を施した”死に急ぎ”大河ファンタジー、待望の第1巻!
感想
主人公は賊に属しながら色々な人を助けようとする善の人。ただし、戦闘能力はほぼないので、助けようとし敵と対峙すると毎回死ぬ。そしてまた新しい賊に乗り移る。記憶とかは乗り移る賊が経験したのがあるので、どこに乗り移っても状況の把握でできるっぽい。
そんな変な体質?をもつ雑魚賊が、人を助けながら死んでいくお話。
死に戻りではなく、死んだら時間があるていど進んでその時にいる賊に乗り移る感じ。作中では148年?進むときもあれば、1週間とかもあった。時間や乗り移る人はよくわかってない感じだったので、若干ご都合主義みたいなところはちょっと感じた。まあここら辺はきっとまだ謎の部分があるということで。
あと面白いと思ったのが、10回死ぬと体質などの重要な要素以外の記憶がなくなるところ。1巻の話は1巻でまとまってるので、これで2巻の登場人物とかも一気に変えられて話も作りやすそうってのは思った。今後1巻のキャラが出てこないってわけでもないかもしれないけど。
そんなわけで1巻の内容へ。
まず、序章では主人公の体質?の説明と、人助けながら死んでいく話が各節に短くある。主人公は最初から死に慣れていてみたいな感じだったけど、最初らへんとかどんな感じだったんだろうか。ちょっとそういうところも見てみたかった感はある。もしかしたら今後の話ででてくるかもだけど。
序章ではストーリー的な展開はあんまなく、ただひたすら主人公が人を助けて死んで次の賊に乗り移っていく。多分説明みたいなパートだと思う。
よくいる雑魚敵みたいな感じで、死ぬときは簡単に死んでいくので雑魚感がある。でも、人助けはなんやかんや成功させてるの、自分の命より人助けを重要にしているのがやべーやつ感ある。そりゃ100万回も死んでたら感覚変わるかもしれない。主人公も命が軽いってのは自覚してるっぽいし。
というか乗り移ってるみたな描写だし、細かく言えば他人の命なのでは…。所詮は賊だし今後も悪事働くなら人のために死ねってことなのだろうか。いくら悪人相手でもやっぱやべーやつなのでは?
まあ、乗り移っていく謎は今後明かされるかもしれないから、楽しみにしておく。
次は1巻メインの正章について。
序章からなんか148年とかめっちゃ進んでるんだけど。10回死んだら記憶がリセットされるってこところからの話なので、この148年間もなんかあったかもしれない。にしてはいきなり経ちすぎでは?主人公も特にその間なにか語ったような内容はなかったので??となった。
しかし、この疑問はあとがきに書かれており、どうやらWebを手直ししようとしたがバッドエンドで終わり、良くても続くかわからない話を書くことになるかららしい。
自分はWeb版を読んでないのでどういった話かは分からないが、148巻の間は特に上記の理由以外ないのかな?まあないならしょうがないので、とりあえずその間も人を助けては死んでいったってことで(適当)。
そんな感じでいきなり時間がたったが、正章では序章とち違いストーリーが繋がっている。毎回死ぬのは変わらないが、軸となる3人のヒロイン?(表紙に描かれてるキャラ)を何回か助けながらかかわっていき、本命の敵を倒す的な感じの話。ちなみに戦いは一応戦争っぽい。
3人のヒロインを何回か助けるが、当然主人公は毎回死ぬので再び助けるとき外見は他の賊。なので、一応同一人物だとは思われてないが、名前はその度に思いつかず結局同じ名前を使ってしまっちゃうので、一族みたいな設定付け足したけど半分ぐらい感づかれてそう。なんかそんな感じの描写あったし。
乗り移るときはその3人の近くや影響のなさそうな日数で移ってるので、短い間で起こってるでものあるからかも。あと、ここから辺は最初に言ったようなご都合感はあった。
ご都合感はあるっちゃあるが、全てうまくいくわけでもなく、お前死ぬのか…展開はあった。この時主人公は死にまくりのせいで命を軽く思っており、心情を読み取れなかったみたいなのがあって良かった。
そして、その死んだキャラもそのとき魂的なのになって主人公に力を貸して勝利するみたいな、ちょっと熱い展開も。ここ読んだとき、なんか主人公も魂的ななにかなのかなーってのは思ったね。死んだキャラも魂になって主人公の体質を唯一知ったし。
その後主人公は記憶リセット前の最後の移り変わりをし、直接黒幕と対決にへ。まあ、正面から勝てるわけもないので雑魚らしく不意打ちで。てか、雑魚っていっても一応投擲っていう投げられると思ったものを確実に当てられる能力を持っていて普通に強いっていうね。
あと、「炉」っていう一応1巻のキーワードであるすごいエネルギーを黒幕が吸収してたけど、なんか意思があるっぽくて最終的に主人公にも力を与えて―みたいな主人公展開も最後はあった。表にはでないけど裏で活躍する主人公みたいな?まあ、黒幕倒した後死ぬけど。最後は3人のヒロインの一人に抱えながら簡単な言葉を言い逝く。その時に、ヒロインから「また、助けてくださったのですね」と言われるが、やっぱりこれ気づいてるよね。主人公の簡単な一言も含めてこういった展開大好き。
終章では主人公は正章の始まりのように記憶がリセットされてしまってるので、これまでのことは忘れていると思う。なので、3人のキャラとかは覚えてなさそうだし、次の話は全く別の絡みになる感じかな。次はどんな死にながらのストーリーになっていくか楽しみ。
簡単まとめ。
死に戻りとはまた違った、割と今まで読んだことの内容な設定で新鮮さがあって良かった。正直分からないことが多いせいか若干ご都合主義感はあったが、そういった部分の謎も今後明かされていければまた楽しめるかもしれない。
主人公の行動は一貫しており、そこら辺は疑問なく気持ちよく読めたので良かった。
あと、地味に各始めの、「よっす」からの「オレだぜ。」が好きなので、今後も入れていただきたいと思った。